【菅総理冒頭発言】
明日で大震災発生から2か月になります。このゴールデンウイークの間、多くの国民の皆様がボランティアとして被災地を訪れ、10日間で8万人の方がそうしたボランティア活動をしていただいたとお聞きをいたしております。大変多くの皆さんのそうした活動に心から敬意を表したいと思います。
また、私もこの連休中、双葉町の原発で避難されておられる皆さんの避難所に行ってまいりました。多くの皆さんから、元の生活に戻りたい。また、政府の対応についても厳しい言葉もたくさんいただきました。私も改めて、こうした被災者の皆さんに何としても、一日も早く元の生活に戻れるように、一層の力を注がなければならないと、思いを新たにいたしました。
また、連休中、福島県の産品を売っている八重洲のお店に行ってまいりました。福島でのお酒やお米や野菜や味噌や、そういうものを買わせていただきました。
同時に、その後、ネットを活用して、そうした被災地で育った野菜やいろいろなものを扱っている皆さんにお集まりをいただき、話を聞くことができました。このネットという、言わば手段は、ボランティアにはちょっと行けない、あるいは物を送ることはできるけれども、ほかに何をやっていいかわからない、そういう皆さんにとって、ネットを通して産品を買う。どこに住んでいてもそういう形で協力ができるということで、大変多くの皆さんが利用されていることを改めて知りました。
また同時に、物を買うということだけではなくて、被災地の皆さんの声が逆にそうした買ってくださる皆さんにも届けられている。そこに本当に人間と人間のつながりが新たに生まれているということを知りまして、もっともっとこうした活用によって応援の輪が広がっていくことを期待をいたしているところです。
さて、5月2日に1次補正の予算が全党一致、全員一致で可決をいただき、成立をいたしました。いよいよ、更に復旧の活動を強めると同時に、復旧から復興への足取りを進めていかなければなりません。まずは復興基本法、そしてその体制をつくる上で内閣法の改正。この2つについて是非、今週中にも内閣として方針を決めて、国会に提出をしてまいりたい。是非、与野党それぞれの御意見を聞きながら、成立をするために全力を挙げたいと考えております。
また、浜岡原発につきましては、この浜岡、中部電力が早い段階で私どもの要請を受け入れていただいた。大変うれしく、ありがたく思っております。この浜岡原発の運転停止によって電力の不足が生じるのではないかというご懸念もあります。それについては、事前にも海江田経産大臣といろいろと検討いたしました。今後を含めて、他の電力会社にもご協力をいただき、また企業や個々の国民の皆さんにもご協力をいただくことによって、この電力の不足というものはクリアできる。また、そのようなご協力をお願いをいたしたいと思っております。
この要請をいたしましたのは、記者会見の折にも申し上げましたけれども、何といっても国民の皆様の安全・安心を考えてのことであります。同時に、万が一にも、あの浜岡という地で事故が起きた場合には、日本経済に与える影響も極めて甚大でありまして、そういったことも併せて考慮させていただきました。そういった意味で、いろいろ関係者にはご苦労をかけますけれども、しっかりと国民の安全・安心のために進めてまいりたいと思っております。
また、原子力事故について、原子力事故調査委員会を発足させるための準備を現在進めております。この原子力事故調査委員会を発足するに当たって、3つの基本的な考え方が重要だと考えております。
1つは、従来の原子力行政からの独立性。つまりは、そうした過去の関係者ではなくて、そういうところから独立した判断ができる方を中心になっていただくという独立性であります。
第二には国民の皆さん、あるいは国際的にも事実をしっかりと公開するという公開性であります。
第三番目には包括性が必要だと考えております。つまりは技術という分野だけではなく、いろいろな制度やいろいろな組織的な過去の在り方が、どのような影響を今回の事故で及ぼしたのか。そういう分野も含めた包括的な検討が必要。
独立性、公開性、包括性という3つの原則で、この事故調査委員会を立ち上げるその準備を進めております。
同時に今回の事故による賠償のスキームづくりも進めております。この賠償はいつも申し上げているところでありますが、一義的には事業者であります東京電力の責任でありますけれども、それが適切に賠償が行われるよう、政府としてもしっかりと責任を持って対応してまいりたいと、このように考えております。
こうした中で、今後のエネルギー政策についていろいろと議論が巻き起きております。まず原子力については、何よりも安全性をしっかりと確保するということが重要であります。そしてこの原子力と化石燃料というものが、これまで特に電力においては大きな2つの柱として活用されていました。これに加えて今回の事故を踏まえて、また、地球温暖化の問題も踏まえて、あと2つの柱が重要だと考えております。その1つは太陽、風力、バイオマスといった再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーの1つに加えていく、そのことであります。
そしてもう一つは省エネ、エネルギーをたくさん使う社会の在り方がこのままでいいのか。いろいろな工夫によって、あるいはいろいろな社会の在り方を選択することによって、エネルギーを今ほどは使わない省エネ社会をつくっていく。このことが私はもう一つのエネルギー政策の柱に成りうると、このように考えております。
そういった意味でこれまでの原子力については安全性を、そして化石燃料についてはCO2の削減をしっかり進めていくと同時に、自然エネルギーと省エネというものをもう2つの柱として、そこにこれまで以上に大きな力を注いでいくべきだと、このような考え方でエネルギー政策全体の見直しの議論を進めてまいりたいと、このように考えております。
最後に、今回の原子力事故、直接の原因は地震、津波によるものでありますけれども、これを防ぎ得なかった責任は事業主であります、事業者であります東電とともに、原子力政策を国策として進めてきた政府にも大きな責任があるとこのように考えておりまして、その責任者として本当に国民の皆さんにこうした原子力事故が防ぎ得なかったことを大変申し訳なくおわびを申し上げたいと思います。
そういう責任者の立場ということを考えまして、原子力事故が収束するめどがつくまでの間、私の総理大臣としての歳費は返上をいたしたい。6月から返上をすることにいたしました。
以上、私の方から国民の皆さんにこの原子力の問題、今後の復興・復旧の、復旧・復興の進め方について申し上げさせていただきました。
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、質疑に移ります。御質問いただく方は私の方から指名させていただきますが、まず所属とお名前をおっしゃってからお願いいたします。
それでは、どうぞ。山口さん、どうぞ。
(記者)
NHKの山口です。
震災2か月で1次補正も上がって、これから本格的な復旧というふうにおっしゃいましたけれども、本日の自公の党首会談でも2次の補正を早期に提出すべきだという考えを示されましたけれども、総理はこの終盤国会、今の国会に2次補正を提出しようというふうにお考えになっているのか。それとも一旦仕切って臨時国会を開いて、そこで2次補正を審議しようとお考えになっているのか、お聞かせください。
(菅総理)
成立した1次補正は4兆円を超える規模のかなり大きな補正になっております。そして、この復旧に当たっていくのに必要な財源は、この補正で相当程度と言いましょうか、賄うことができます。そういった意味で、これから復興を目指すことに関しては、現在、復興構想会議でどのような考え方で復興を進めていくのか。ご議論もいただいておりますし、またそれに必要となる財政規模などもこれから検討していく必要があると、このように思っております。
そういった意味で、まずは復旧に現在かかっている作業を積極的に推し進めるということが第一でありまして、今どの時期にその復興を目指す第2次補正を提出するべきなのか、現在のところまだ白紙の状態であります。
(内閣広報官)
それでは、次の方。相本さん、どうぞ。
(記者)
西日本新聞の相本と言います。よろしくお願いします。
原発政策についてお尋ねします。総理は停止要請をした浜岡原発について、特別なケースというふうに述べられました。ただ、その地震の発生確率が極めて低かった福島でも今回の事態が起きていまして、周囲に活断層がある原発も少なくなく、本当に大丈夫なのかという国民に不安もまだあると思います。今後、安全基準を含めた原子力政策全般を見直していく中で、地元の理解をどう得ていくのか。他の原発についても停止や再稼働見送りなどを求める考えはあるのでしょうか。
それと先ほど言われました自然エネルギーも柱の一つにということですが、これは将来的にはその原発への依存を減らしていくという考えというふうに理解していいのでしょうか。
(菅総理)
まず他の原子力発電所についてのご指摘です。今回、浜岡についての停止を要請いたしましたのは、申し上げていますように、文科省に設けられた地震調査研究推進本部の評価の中で、30年以内にマグニチュード8程度の大きな地震が起きる可能性が87%と極めて高いという指摘がなされている。そういうことを理由として停止の要請をいたしました。他の原発についても勿論いろいろな可能性はありますけれども、少なくともそうした地震の研究所の展望では、浜岡のような逼迫した状況というものは報告をされておりません。そういった意味で浜岡について、停止を要請したということであります。
もう一点、今後のエネルギーの在り方について、原子力をどのように位置付けるかというご質問ですが、現在のエネルギー基本計画では、2030年において総電力に占める割合として、原子力が50%以上、再生可能エネルギーは20%を目指すとなっております。しかし、今回の大きな事故が起きたことによって、この従来決まっているエネルギー基本計画は、一旦白紙に戻して議論をする必要があるだろうと、このように考えております。
そういう中で、原子力については一層の安全性を確保する。そしてもう一方、自然エネルギー、再生エネルギーについては、より大きな力で推進する。そういう方向性が必要ではないか、そういう方向性を念頭に置きながら議論を進めていきたいと、このように考えているところです。
(内閣広報官)
それでは、次の方、田中さん、どうぞ。
(記者)
毎日新聞の田中です。
東電の経費節減策について伺います。東京電力は本日、枝野長官と海江田大臣に代表権を持つ役員の報酬全額削減などのリストラ策を申し入れてきました。総理として、これが十分であるというふうにお考えになるか。もっとそれ以上のものが必要だとお考えになるか。
それと、先ほど総理がおっしゃった、総理としての歳費を返上するという部分ですけれども、これは国会議員としての歳費相当額は引き続き受け取るということなのか、ちょっとその辺をお願いします。
それと、他の閣僚の方にもそのような歳費返上というようなことは呼びかけるのか、その点についてもお願いします。
(菅総理)
まず賠償を進める上で、東電として最大限の努力をされるというふうに聞いておりまして、その中にはいろいろな資産を売却するとか、あるいはより人員構成をぎりぎりにスリム化するとか、そしてそうした給与の問題についても削減を行うとか、そういうことがあるというふうに認識しておりまして、今回の東電のそうした提案といいましょうか申し出は、そういう東電の努力の一環であると、このように受け止めております。それで十分かどうかということは、今後の検証といいましょうか、今後の話し合いの中で考えなければなりませんが、やはり東電としてもそうした姿勢を示しているというふうには理解をいたしております。
それから、総理の歳費の返上というのは、今、ご指摘のように大臣というのは、国会議員の場合ですが、国会議員の歳費に、言わば上乗せする形でその総理の歳費、二重取りはしておりませんので、そういう形になっておりますが、私としては一般の国会議員としての歳費は、一般の国会議員の皆さんと同じように一部返上しておりますが、その返上も含めて同じような形で国会議員の歳費は受け取らせていただきたい。しかし、総理として上乗せされている歳費については、月々のものも、ボーナスも含めて全額返上したいと、こう考えております。
また、他の閣僚については、私からは特にまだお話をしておりません。やはりこの分野で最も責任があるのは、言うまでもなく総理大臣であります。ただ同時に、海江田大臣とは少し話をしておりまして、海江田大臣は海江田大臣として自ら判断されるんではなかろうかと。他の大臣とは、特にこの件はお話はいたしておりません。
(内閣広報官)
それでは、次の方どうぞ。水島さん、どうぞ。
(記者)
(時事通信の水島) 総理、お願いします。
終盤国会の重要法案の対応なんですけれども、減税をつなぎ法案で特例措置を延長しました。これが間もなく切れると思います。それから、赤字国債を発行する公債特例法案も成立のメドが立っていませんが、これに関しては、この国会で例えば延長をしてでも、必ずこの国会で成立させるのか、それとも別の選択肢もあり得るというお考えなのか。総理としてのお考えをお聞かせください。
(菅総理)
この問題は、3党の間で政調会長が合意をしていただいておりまして、そういう3党の合意も踏まえながら、できるだけ早い時期に何らかの形で前進できればと思っております。
ただ、今の段階でどのような形でそれが可能か。これは国対あるいは幹事長を含めて、いろいろと相談をしておりますが、現時点ではこの国会でそれが前進するよう最大限の努力をすると、そういうところにあります。
(内閣広報官)
それでは、次の方どうぞ。それでは江川さん、どうぞ。
(記者)
フリーランスの江川です。
今、復旧、復興ということが出ましたけれども。復旧、復興という言葉も出ましたが、原発の被害者はまさに災害進行中で、復旧、復興には入れない状況です。今後の身の振り方も決められず、生活の不安を抱えていらっしゃいます。東電の仮払い100万円など、ローンですぐなくなるというふうな声も聞きました。仮設に入っても、生活費は自分で払わなければならないけれども、収入がない。補償するというふうに政府は言ってくれるけれども、いつになるかわからない。そういうことを皆さん口々に訴えられています。そういう方々に、形は、例えば補償の先払いという形になるのかどうか、いろいろあると思いますけれども、とにかく生活支援を、月々の生活をちゃんと支えていく方法というのをすぐにお決めいただくことはできないのかということを聞きたいと思います。
(菅総理)
私も先ほど申し上げたように、原発事故で避難されている方がかなり大勢おられた埼玉県の加須に行ってまいりました。非常に埼玉県知事あるいは加須市長を含めて、いろいろな努力をしていただいておりまして、高校の跡ですので、廊下にはハローワークなどからのいろんな雇用の案内などもありました。
いろいろお話を聞きますと、やはり一番被災者の皆さんの口々に出たのは、勿論1日も早く戻りたいということは勿論でありますが、それがなかなか簡単でないとすれば、どの時期にどうできるのかというメドを示してもらいたいと。そうしないと、そういう仕事に新たに就くにしても、あるいは避難所から出て、別の例えばいろんな公的な住宅などで希望すれば入れるというところがかなり出てきているわけですが、そういうところに移るということになかなか踏ん切りがつかないと。そういうことも多くの方が言われました。
そういう意味で、既に2か月になるわけですけれども、東電が示している工程表などもきちんきちんと進んできて、完全に原発の事故も新たな放射性物質を出さないで、冷温停止になるというメドがつけば、逆にその後のメドもお示しできるということを、私その場でも申し上げてまいりました。
今、ご指摘の生活の問題、仕事の問題、政府としても全力をあげてそういう皆さんがきちんと生活ができるように、また、次の展望が持てるように、最大限の努力はしてまいりたいと、こう思っております。
(内閣広報官)
それでは、外国のプレスの方からお一人。そちらで手を挙げられている方、お願いします。
(記者)
AP通信の山口と申します。よろしくお願いいたします。
福島原発の事故の収束がどのようになるかということや、日本がこの後どのようなエネルギー政策に転換するかということは、国際的にもとても注目されていると思うんですけれども、近々ありますサミットや、あるいは日中韓首脳会談などの場で総理は今後、日本が目指すエネルギー政策、例えば脱原発を目指すのかどうかというようなことも含めて、福島の事故の今後についてどのように説明をなさるおつもりでしょうか。教えていただけますか。
(菅総理)
おっしゃるように今月21日には日中韓の3か国の会合があり、26日、27日にはフランスでG8サミットが行われます。
また、6月に入りますとIAEAの閣僚会議も日程が決まっておりまして、それまでにはそれに向けての報告書も提出をしなければなりません。
そういった中で、今後のエネルギー政策についてどのように考えるかというご質問ですが、まずは原子力について言えば、徹底的に検証して、より安全な原子力の在り方、これをしっかりと求めて実行していきたい。そのことを1つの大きな柱として国際会議の場でも申し上げていきたいと思っております。
まずそのためには、日本自身が努力することは勿論ですが、今回の日本の原子力事故のいろいろなデータや内容をしっかりと国際社会にも、これまでもお伝えしていますけれども、さらにしっかりとお伝えをして、そういう国際社会にとっても今後より安全な原子力エネルギー供給というものが可能になるような、そういうことに貢献できれば幸いだと、このように考えております。
それに加えて、先ほど申し上げましたように、原子力、化石燃料に加えて欧米の多くの国も風力や、あるいは太陽エネルギーに力を注いでおります。我が国はややこの分野で出遅れているところがありますので、そうした分野についても一層力を入れてまいりたい。
そういった姿勢を含めて国際社会にも日本の姿勢をお示しをしたいと思っております。
(内閣広報官)
それでは、次の方。それでは、松山さん、どうぞ。
(記者)
フジテレビの松山です。浜岡原発の停止要請についてお伺いします。
発表については、あまりに唐突で、政府が法的根拠なしに企業の活動を制限することには批判も出ていますけれども、そうした中、日本経団連の米倉会長は結論がいきなり出てきて、思考過程がブラックボックスだと厳しい批判をしております。
国の原発政策の行く末をも決めかねない重要な決定が、なぜこのような突然発表しなければならなかったのか、そのあたりを総理の方からもう一度説明をお願いします。
また、中部電力は今回の要請を受けて受諾しましたけれども、それによるコスト増などについては国の支援を求めています。国として今後、そのコスト増の部分について金銭的に全額国としてそれを補てんするような考えもお持ちなのでしょうか。
よろしくお願いします。
(菅総理)
この浜岡原発については、従来から活断層の上にあるといったような指摘はあったわけですけれども、今回のことは、やはり何といっても3月11日の大震災を受けて、そうした震災があっても大丈夫と言われてきた東電の福島原発が、いわゆる冷却機能が停止をして、ああした事故につながったというこのことが直接大きく影響したということは言うまでもありません。
その折から、内閣として、いわゆる防災会議なども開かれた中で、いろいろな地域の地震の可能性なども改めて議論の場に乗り、あるいは私自身も改めてその87%という数字を確認をいたしまして、そういう中でこの問題をどのように扱うか。いろいろな方の意見もお聞きをしてまいりました。
そして、海江田経産大臣もいろいろな方の意見を聞かれて、私とも最終的にはいろいろ意見交換をし、私たちなりに熟慮を重ねた中で、こうした要請を行うことが国民の皆様の安全と安心の上で必要であろうという、そういう結論に達したわけであります。
(記者)
(フジテレビ松山) 中部電力への支援について、国としてはどのようにお考えでしょうか。
(菅総理)
これはこれからの相談だと思いますが、勿論一般的に言えば、国もできるだけ協力するということでありますが、具体的にどういう形で、どういうコストが上がること自体をどういう形でフォローできるのか。それはこれからの話し合いによるものと考えております。
(内閣広報官)
予定の時間が過ぎておりますので、最後の質問とさせていただきます。
それでは、坂尻さん、どうぞ。
(記者)
朝日新聞の坂尻です。
総理、冒頭に触れられた原発事故の調査委員会について確認させてください。今、回答でもおっしゃられたように、これまで総理は原発事故の検証ということをしていかなければならないとおっしゃっていましたが、今回、浜岡原発への停止要請というのは、その検証に先立って、前もって出されたという形になりました。
そうしますと、この原発事故の調査委員会というのは、福島第一原発の事故原因を究明するということにとどめられるのか。あるいはその原因究明の結果によっては、今後の原発政策の在り方、新たな停止要請ですとか、そういうことに踏み込むことも念頭に置いていらっしゃるのか。どちらなのでしょうか。
(菅総理)
先ほど申し上げましたように、今回設置を調整している調査委員会では、独立性、公開性、包括性という形で、先ほど申し上げました。その中には技術的な問題だけではなくて、制度的な問題などについても今回の事故の背景として関連することについては、しっかりと調査をしていただきたいと、このように思っております。
それを踏まえてどうするかということは、一応これは調査委員会の報告が出た中で、それを踏まえての議論は必要になるかと思いますが、調査委員会そのものが他のことまで何か結論なり方向性を出すということは、今、私の想定している中では、それはそこまでではないのではないか。まずは今回の東電福島原発の事故、そして、それに至る背景といったところを徹底的に調査いただくということにとどまると考えております。
(内閣広報官)
それでは、これで総理会見を終わります。どうもご協力大変ありがとうございました。